投稿:川口厚子/辰野町 たつのたんぽぽの会 

 たんぽぽの季節がやってきました。土手や田んぼの畦に黄色の鮮やかな模様を紡ぎ出しています。辰野町ではちょうどこの季節に『不登校を考える親の会』が始まりました。

自然発生的に、悩みをもったお母さんたちが集まってきて親の会ができました。会の名前を『たつのたんぽぽの会』としました。そして、今年の2月で活動を閉じました。あっという間に過ぎてしまったように感じていますが、子どもたちの成長振りを報告していただくと、けっこう長い間活動を続けていたのだと思いました。「会を閉じてもいいのかな?」と迷う意見もありましたが、不登校の子どもたちを理解しようとしてくださる方が増えたこと、また、親だけが頑張らなくてもよいサポート体制が整ってきたことなどを確認し、「もう、綿毛になって飛び立ってもいいよね」そんな結論で、この親の会を閉じることにしました。長い間の活動に、多くの方からご協力と応援をいただきました。8年間の活動報告を以って、感謝の言葉とさせていただきたいと思います。

始まりの頃は、学校との関係がうまくいかないというお話がとてもたくさんありました。
子どもたちもお母さんも、自分を責め、内にこもり、病気になってしまった例も多く、学校では、「親が変われば」と言われることがほとんどでした。状況を知ってもらおうと、何人ものお母さんのお話を、学校の先生方に聞いていただくことから始まりました。西小学校の校長先生は職員研修として、関係の先生方を連れてきてくださいました。中学校にはこちらから出かけ、校長先生にお願いし、教室へ入りにくい子どものために相談室を用意していただきました。「家の子のためには頼めない」と言っていたお母さんも、たくさんの子のためには遠慮せず、お願いすることができました。学校との距離がどんどん近づいた気がしました。無理なお願いをしたこともあります。別の小学校の子の受け入れ、お付き合い、指導方法への提案など、東小学校の校長先生には大変お世話になりました。
 時々よその地域から訪ねてくださるお母さんもいました。一様に涙、涙から始まり、笑顔で「またね」と帰っていくパターンになりました。臨床心理士をお招きしてお話を聞いたり、個人の相談に乗っていただいたりもしました。夜なのに、高遠町からみえた方もいました。また、他の地域との交流をと、伊那東部中学校や、箕輪中学校へお邪魔したこともありました。
 学校外にも居場所が必要と、町の図書館2階に中間教室を開設していただきました。教育相談室やカウンセラーの配置なども町の方で考えていただけるようになりました。
『あかね色の空を見たよ』の映画上映の実行委員会もやりました。より多くの方に不登校に対する理解を深めてほしいと、チケットを売ることで、町の皆さんの話題にしていただきました。たくさんの感想が集まり感想集を発行しました。とても大変なことでしたが、やって良かったと思いました。少し収益がでたので、河合温先生をお招きし、講演会も開催することができました。
 長野県の子どもサポートプランが立ち上がり、上伊那のサポートチームの中での活動も加わり、本当に、不登校になっている子どもだけの問題ではなく、どの子についてもよりいやすい居場所作りはということが親の会でも考えられるようになってきました。

 この間私はサポーターとして関わってきましたが、とても多くのことを学ばせていただきました。
 親の会には、癒しの機能があるような気がします。同じ立場の人や、話をきいてくれる専門家との出会いがあります。「来て良かった」と肩の力が抜けて帰っていくお母さんたちでした。また、学びの場になります。子どもたちとどう関わるかを学んでいます。話すことで自分を振り返り、整理し自分の姿を確認しています。別の人の話を聞くことで、経験や専門機関などの情報をもらっています。いろいろな関わり方と子どもの反応があることを理解します。
そして、個人だけの問題にせず、広く子どものことを考える社会的な発言主体となることができます。大きな意味のある活動であったと思いました。

 今後の活動は、上伊那地区での親の会でということになりますが、辰野町からあちらこちらに綿毛が飛び立っているので、必要だと思う方たちの思いが集まると、きっとまた、たんぽぽの花を咲かせることができることと思います。そしてもしかしたら、『綿毛の会』ができているかもしれませんね。また、お会いしましょう。