投稿:やまぼうし/

 今の時期、中学3年生のご家庭では進路についてあれこれ不安を抱いている毎日をすごされているのではないでしょうか?我家の場合を思い返してみました。

 息子が中学三年の時です。中学3年生で不登校の友達がそれぞれ進路を考えているのをみて、自分も積極的にではないけれど、中学は卒業するのだという思いと、さて次にどうするんだという不安が息子にはあったように思います。親としてはどう思っていたかを思い出してみると、まわりには不登校をしていても、昼間の全日制を希望しているお子さんもいたりして、またそういう子は勉強も始めていたり、そのようなお子さんを「すごいな」と思っていました。けれど反面、息子の場合は無理して全日制に行っても、また大きなストレスを受け再び不登校を繰り返す事になったら辛いだろうな、などと思っていました。

 中学から高校へと大きな変化を迎える時期に、これをきっかけに「動き出してほしい」という“まだ解っていない”母親の押し付けの思いと、「ゆっくりゆっくり本人の後をついて行く」という“解りはじめた思い”が入り混じり、揺れた時期です。子どもにとっても変化の時期ですが、親にとっても自分自身を見なおし、問いかける日々でした。 本人に聞き、昼間の高校で特に行きたいところの希望もないので、定時制を視野に入れ2ヵ所の定時制高校を親子で見学に行くことにしました。そして本人が今の高校に決め、真っ青になるような気分で試験を受けましたが合格でき、現在は一日も休むことなく通学しています。
 

 入学式には父親が出席したので雰囲気はわからないのですが、あとで写真を見ると、中央に子どもたち、そしてまわりを先生方と保護者が取り囲んでいて驚きました。個性的な学生たちを見守るステキな写真で、とっても感動しました。

 定時制は10人の子どもたちに対し、10通りの指導案があると聞きます。九九のできない子、ABCからの子、何でもできる子など、一人一人にあった対応が求められているのでしょう。息子も最初は緊張していましたが、そこでは自分のペースで学んでいいと徐々にわかってきたようです。けっして無理はせず、見守ってくれる温かいたくさんの先生たちに接して、教科書の勉強ではなく、先生の個性にひかれているところも多いようです。

 全日制ですと3年間で卒業となるところを、夜間定時制の場合は4年間かかります。1年多くかかりますが、今までの不登校を考えると、ゆっくりゆっくりとこれからのことを考えながらマイペースで行けるところが定時制のいいところかなと思います。

 息子は現在二年生ですが、一年の時は学校に通うだけだったのが、二年の9月より仕事をはじめました。10時から午後3時45分まで働いて、その後学校へ行っています。給料でほしいパソコンを買ったり、次は自動車の免許だなどと夢が広がっているようです。

 子ども達とは別に、私達夫婦がとっても楽しみにしている行事があります。年に1回の『きのこ狩り』です。山を歩いた後で先生方や保護者の皆さんと一杯飲みながら語る楽しいひとときがあります。昨年は台風の影響で『蕎麦打ち』になりましたが、その際に先生からお聞きした「何も俺たちは特別ではない。定時制だから出来るんだ」という言葉があります。定時制の先生が特別な先生だからではなく、ゆっくりじっくり子どもに向かえる、定時制という場所がそうさせていると受け取れました。息子に注がれている先生方のまなざしを私たちも味わうことができ、今では何をおいても出席したい会となっています。こんなふうに学校と付き合えるのは初めての経験ですし、学校っていいものだなあ、ってつくづく実感しています。こんな学校もあるんですね。

 この他にも、経済的にも負担が少ないのが親にとっては助かります。授業料は毎月3,000円です。
 中学卒業という節目を通し、私自身が自分自身に問いかける貴重な体験でした。これは我家の体験ですが、今の時期、あれこれ悩まれ不安な日々を送られている方に参考になればと思います。