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Q 
 娘は、5月ごろから、朝、起きられなくなり、起立性調節障害と診断を受け薬を飲んでいますが、やはり朝がつらくて起きれません。食欲もなく、「気持ちが悪い」と言うこともたびたびあります。先日、登校しましたが、気持ちが悪くなって早退してきました。
 これが不登校なのかしらと親の私は思うようになって、「ゆっくり休んだ方がいいのかな」という気持ちでいますが、娘は、「自分は不登校じゃない。学校が大好きで、友だちと一緒にいたいのに体が動かない。なんで、体が動かないのか・・私は学校にこんなに行きたいのに・・・」と言います。


 中学3年ということもあり、進路についても本人があれこれ調べて、進学したい学校を決めています(進学校です)。しかし、中学校へ登校できず、実力テストも受けられない状況です。
 親として、どのように対応したらよいのかわからなくて困っています。アドバイスをお願いします。



 いろいろご心配のことと思います。お嬢さんが何といっても一番大変でしょうが、お母さんやご家族もどうしたらよいかお困りなのですね。 
  心には誰でも二つの領域があります。「意識」の領域と「無意識」(意識の潜在下の部分)の領域です。「建前」と「本音」と言ってもいいかも知れません。
 意識の領域では人は時間を守り、規則正しく、いろんな事を頑張ろうとします。学校のことも進路のことも真面目に一所懸命に頑張ろうとします。言葉の通ずる領域、約束、世間の常識、忠告・叱咤激励が通ずる領域です。
 もう一方に、その何万倍も大きいと言われる無意識の領域があります。頑張り屋のお嬢さんです。「頑張ろう」とすること自体が、すでに一つのストレスでもあります。きっと自己イメージの大きな人です。「このくらいは頑張らないと」という自分に対するイメージがあります。それを「ちゃんとできない自分は許せない」といったところがあります。
 本当はこれはとても大事な資質・個性、その人の進歩・成長を支え促す部分ですが、同時にそれは絶えざるストレスを心にかけ続ける要素にもなります。その結果、心の深い部分(無意識の領域)はそれで一杯になり、身体と連動して「走り過ぎだよ。もう目一杯だよ。一息入れようよ」と合図を出すことになります。今の彼女の心はそんな状態にあります。波線を引いた部分です。自分でも気づかない本音の部分です。
 「見事なまでに典型的な登校拒否(不登校)の人」です。大勢の登校拒否の諸君に出遇ってきました。そして、そのほとんどが典型的といっていい人たちです。その諸君たちについては心理的にちゃんと説明ができますし、将来の進路等についても展望の全く明るい人たちなのです。要するにこの時期を無理せずに通り抜ければ、将来にわたって心配のない、楽しみな人たちなのです。
 中3といえば最もストレスのかかる時期です。賢明なお嬢さんです。「どうしてそうなるのか」という心のメカニズムをきちんと理解できる人です。ちゃんと分かれば安心できます。その上で、しばらく家でゆっくりする、行けないのに無理に行こうとしない。 
 ゆっくり休める時間が今からなら半年近くあります。その間をゆっくり休んで心にかかっていた大きな負担を取り除くことこそ、先の展望に繋がります。今からゆっくり休めば半年先の高校入試に充分間に合います。
 「その間の勉強はどうすれば」といった意識の領域からの反論がありそうですが、この間はどうしようもありません。知能指数すら一時的に減退して、今まで楽に理解でいたことができなくなり、簡単に覚えられたことがそうできなくなり、だいいち、意欲自体が減退してしまいます。
 学校・勉強といったことから一旦心を解放させ、ゆっくり休ませてあげることが将来に繋がる大事なことです。具体的なことはとてもこうやって書いてお伝えするだけでは不充分ですので、一度、ご両親が、(こんなお嬢さんだったら)ご希望されるようならお嬢さんもご一緒に相談に見えることが至急に必要です。
 おそらくこの時期は睡眠のサイクルが数時間は後ろへずれ込んでおりますので、朝は未だ起きられる状態になっておりません。したがって「起立性調節障害」といった病名を付けられます。無理せずにしばらくゆっくり休む態勢ができれば、おそらく薬は必要ないと思います。
 「ゆっくり休む」ということは、こういう頑張り屋さんタイプの人には結構難しいことなのです。ただ、人生の大事な時期です。思い切って充分に心と体を解放させ、休ませてあげることです。思い切り「ダラケ」てみることが、何より必要なことです。
 展望の明るい人です。将来の楽しみな人です。妙な頑張りをしないように、させないようにやっていきましょう。
  
北澤康吉(ロジャーズ流カウンセラー)