「不登校‐希望と安心をつかむ実践!進路講座 」に参加して2009年03月08日
Category: スタッフだより
登校拒否の子どもたちの進路を考える研究会」(登進研)
バックアップセミナー66
「不登校‐希望と安心をつかむ実践!進路講座 」に参加して
上伊那子どもサポートセンター 事務局 戸枝智子
5人の専門家の実践的アドバイスと、ミニドラマで次の一歩が見えてくる
◇開催日時 平成21年2月11日(祝) 13:00~17:00(開場12:30)
◇プログラム
【第1部】講演「不登校‐希望と安心をつかむ実践!進路講座」
講師 木津 秀美(富士見市教育相談研究室室長)
佐藤 有里(横浜市東部地域療育センター 診療部 臨床心理士)
齊藤真沙美(世田谷区教育相談室 心理教育相談員)
池亀 良一(代々木カウンセリングセンター所長)
荒井 裕司(登進研代表)
【第2部】個別相談(心と進路の相談)
2月11日(水)に不登校の子どもたちのための進路講座に参加しました。会場が渋谷区代々木のSYDビル2階ホールと遠いのでちょっと迷いましたが、参加してみて高速バスを使って行くだけの価値ある内容だと思いました。
今の時期は、不登校の子どもにとっては不安の多い時期であると同時に、新しい一歩を踏み出してみようと希望が芽生える時期でもあります。その芽をどうやって大切に育てていくかは、周りの大人たちの役目だと思います。
なんで自分は他の人たちのように学校へ行けないんだと苦しみ悩んできた子どもたちが、もし、高校生になれたら、中学校で味わうことが出来なかった学校生活してみたいと切望しているとしたら、その願いを無条件で叶えてやっていいと私は思います。そういう高校があっていいと思うのです。受験勉強をしてきた者だけの特権として高校があるわけではありません。基礎学習の学び直しをしたり、友だちと笑い転げたり、好きな趣味やスポーツに打ち込んだり、いろんな体験や人と出会ったりするチャンスは、どの子にも平等に与えられるものであってほしいです。一昔前のように、国立大学や有名私立大学への進学率の高い高校がいい高校というような価値観では子どもたちの学ぶ機会や意欲を奪ってしまいます。とはいうものの、現実は、とても厳しく、不登校の子どもたちは、入試を前にして、さらに追い詰められてしまっているのが現状です。
今回、この進路講座に参加して、幅広い視点から「その子らしく歩いていける道」とは何かを考えるヒントをもらったり、いろいろな形態の高校のシステムについて知ることができました。
第1部は、5人の専門家が、不登校の子どもがいる家庭で起こりがちな進路に関するトラブルや親子のすれ違いについて、ミニドラマ形式で再現し、問題点や改善点のポイントなどを目に見えるかたちで示すなど、具体的でわかりやすい内容になっていました。
いろいろなケース(20以上)を扱っていた中から、1、2の例を報告します。
〈進学したい気持ちはあるが一歩も外に出られない〉 (中3 15才 男子)
昨年2月から不登校。一時は部屋にひきこもっていた。6月にいいカウンセリングの先生に出会い、今は家の中で普通に楽しく暮らしている。
昨年12月に単位制、通信制の私立高校に進学先を決めた。しかし、「髪の毛を切りたい」と言いつつ一歩も外出できない状況。このままでは、写真撮影もできず、面接にも行けずチャンスを逃してしまうのではないかと心配。
〈回答〉
本人の気持ちが一番大事。親としては、チャンスを逃してしまうと思うかもしれないが、本人はいたって前向きな状況。別に外に出なければと考える必要はない。髪を切るのも、写真を撮るのも家でできることはどんどんやればよい。高校の説明も家に来てもらったり、場合によったら、家で入試を頼む。(訪問入試)少しずつ、段階的に進んでいけばいい。
今回、私は「訪問入試」という言葉を初めて聞きました。
高校入試も多様化しているので、自分の思い込みで決めつけないように調べることが大切だと思いました。
〈留年してもう一度やり直すか、転校すべきか?〉 (高校2年、男子)
現在、都立高校の2年に在籍。昨年6月からアルバイトを始め、少し自信がついてきたところ。しかし、学校には、2年生になってから1日も登校できていない。留年して4月からもう一度2年生をやり直す予定。本人のプライドもあり任せている状態だが進学校なので、再登校しても通い続けられるか心配。どう対応すべきか。
〈回答〉
留年は本人の希望ということだが、統計的には、1学年下の学級でやり直すことは大変難しいものがある。特に現代の子どもたちの人間関係の狭さを考えると大きなストレスとなる可能性が大きい。
大学に視点をおき、そのためにはどうするかを考えて組み立て直すことが大切。自分のペースに合った学校に転校することを考えてもいいのではないか。
ミニドラマでは、家族の日常生活の一場面を再現して、陥り易いまずいパターンと改善したパターンを2通り演じて見せてくれて、わかりやすくポイントを解説して下さいました。
印象に残ったお話は、子どもが自分の進路についてどうでもいいような態度をとったり、反抗的な態度をとってきたときに、親は、ムカッとして「何だその態度は!」と怒ったり、言い合いになったりしがちだけれど、それでは、川で溺れている子を助けようとして、一緒に溺れてしまうようなもので、子どもは救えない。子どもが、そういう態度を示した時は、現実と向き合うことがつらい気持ちでいるのだから、その気持ちに寄り添うことが大切だと話されたことでした。
その他、軽度発達障害の子どもたちの進路についてや、いじめについて、家族関係について等々多くの話題がありました。紙面の都合上ご報告できませんので、関心のある方は登進研のHPをご覧ください。また、このセミナーは、年に4,5回は開催しているようです。
会場は、200名以上の方々が来ていて満員でした。私の隣の席の方は、都内から参加された小学生の不登校のお子さんを持つお母さんでした。東京ならフリースクールとかいろいろあるんじゃないですかと聞くと、情報もなかなか入ってこないし、どこに聞いていいのかもわからないと言っていました。
不登校の支援をしているところはたくさんあっても、縦割り行政であったり、地域のネットワークがなかったりで、情報が必要としている家庭に届かないという状況は、地方も都会も同じなんだなと思いました。
講師の先生方は、皆さん子どもの視点に立ってアドバイスされていましたし、親に対してもあたたかな励ましの言葉があり、講座の名前どおり、「希望と安心」をつかめる雰囲気がありました。
いつか、上伊那でもこの進路講座を開催できたらいいなと思って会場をあとにしました。
バックアップセミナー66
「不登校‐希望と安心をつかむ実践!進路講座 」に参加して
上伊那子どもサポートセンター 事務局 戸枝智子
5人の専門家の実践的アドバイスと、ミニドラマで次の一歩が見えてくる
◇開催日時 平成21年2月11日(祝) 13:00~17:00(開場12:30)
◇プログラム
【第1部】講演「不登校‐希望と安心をつかむ実践!進路講座」
講師 木津 秀美(富士見市教育相談研究室室長)
佐藤 有里(横浜市東部地域療育センター 診療部 臨床心理士)
齊藤真沙美(世田谷区教育相談室 心理教育相談員)
池亀 良一(代々木カウンセリングセンター所長)
荒井 裕司(登進研代表)
【第2部】個別相談(心と進路の相談)
2月11日(水)に不登校の子どもたちのための進路講座に参加しました。会場が渋谷区代々木のSYDビル2階ホールと遠いのでちょっと迷いましたが、参加してみて高速バスを使って行くだけの価値ある内容だと思いました。
今の時期は、不登校の子どもにとっては不安の多い時期であると同時に、新しい一歩を踏み出してみようと希望が芽生える時期でもあります。その芽をどうやって大切に育てていくかは、周りの大人たちの役目だと思います。
なんで自分は他の人たちのように学校へ行けないんだと苦しみ悩んできた子どもたちが、もし、高校生になれたら、中学校で味わうことが出来なかった学校生活してみたいと切望しているとしたら、その願いを無条件で叶えてやっていいと私は思います。そういう高校があっていいと思うのです。受験勉強をしてきた者だけの特権として高校があるわけではありません。基礎学習の学び直しをしたり、友だちと笑い転げたり、好きな趣味やスポーツに打ち込んだり、いろんな体験や人と出会ったりするチャンスは、どの子にも平等に与えられるものであってほしいです。一昔前のように、国立大学や有名私立大学への進学率の高い高校がいい高校というような価値観では子どもたちの学ぶ機会や意欲を奪ってしまいます。とはいうものの、現実は、とても厳しく、不登校の子どもたちは、入試を前にして、さらに追い詰められてしまっているのが現状です。
今回、この進路講座に参加して、幅広い視点から「その子らしく歩いていける道」とは何かを考えるヒントをもらったり、いろいろな形態の高校のシステムについて知ることができました。
第1部は、5人の専門家が、不登校の子どもがいる家庭で起こりがちな進路に関するトラブルや親子のすれ違いについて、ミニドラマ形式で再現し、問題点や改善点のポイントなどを目に見えるかたちで示すなど、具体的でわかりやすい内容になっていました。
いろいろなケース(20以上)を扱っていた中から、1、2の例を報告します。
〈進学したい気持ちはあるが一歩も外に出られない〉 (中3 15才 男子)
昨年2月から不登校。一時は部屋にひきこもっていた。6月にいいカウンセリングの先生に出会い、今は家の中で普通に楽しく暮らしている。
昨年12月に単位制、通信制の私立高校に進学先を決めた。しかし、「髪の毛を切りたい」と言いつつ一歩も外出できない状況。このままでは、写真撮影もできず、面接にも行けずチャンスを逃してしまうのではないかと心配。
〈回答〉
本人の気持ちが一番大事。親としては、チャンスを逃してしまうと思うかもしれないが、本人はいたって前向きな状況。別に外に出なければと考える必要はない。髪を切るのも、写真を撮るのも家でできることはどんどんやればよい。高校の説明も家に来てもらったり、場合によったら、家で入試を頼む。(訪問入試)少しずつ、段階的に進んでいけばいい。
今回、私は「訪問入試」という言葉を初めて聞きました。
高校入試も多様化しているので、自分の思い込みで決めつけないように調べることが大切だと思いました。
〈留年してもう一度やり直すか、転校すべきか?〉 (高校2年、男子)
現在、都立高校の2年に在籍。昨年6月からアルバイトを始め、少し自信がついてきたところ。しかし、学校には、2年生になってから1日も登校できていない。留年して4月からもう一度2年生をやり直す予定。本人のプライドもあり任せている状態だが進学校なので、再登校しても通い続けられるか心配。どう対応すべきか。
〈回答〉
留年は本人の希望ということだが、統計的には、1学年下の学級でやり直すことは大変難しいものがある。特に現代の子どもたちの人間関係の狭さを考えると大きなストレスとなる可能性が大きい。
大学に視点をおき、そのためにはどうするかを考えて組み立て直すことが大切。自分のペースに合った学校に転校することを考えてもいいのではないか。
ミニドラマでは、家族の日常生活の一場面を再現して、陥り易いまずいパターンと改善したパターンを2通り演じて見せてくれて、わかりやすくポイントを解説して下さいました。
印象に残ったお話は、子どもが自分の進路についてどうでもいいような態度をとったり、反抗的な態度をとってきたときに、親は、ムカッとして「何だその態度は!」と怒ったり、言い合いになったりしがちだけれど、それでは、川で溺れている子を助けようとして、一緒に溺れてしまうようなもので、子どもは救えない。子どもが、そういう態度を示した時は、現実と向き合うことがつらい気持ちでいるのだから、その気持ちに寄り添うことが大切だと話されたことでした。
その他、軽度発達障害の子どもたちの進路についてや、いじめについて、家族関係について等々多くの話題がありました。紙面の都合上ご報告できませんので、関心のある方は登進研のHPをご覧ください。また、このセミナーは、年に4,5回は開催しているようです。
会場は、200名以上の方々が来ていて満員でした。私の隣の席の方は、都内から参加された小学生の不登校のお子さんを持つお母さんでした。東京ならフリースクールとかいろいろあるんじゃないですかと聞くと、情報もなかなか入ってこないし、どこに聞いていいのかもわからないと言っていました。
不登校の支援をしているところはたくさんあっても、縦割り行政であったり、地域のネットワークがなかったりで、情報が必要としている家庭に届かないという状況は、地方も都会も同じなんだなと思いました。
講師の先生方は、皆さん子どもの視点に立ってアドバイスされていましたし、親に対してもあたたかな励ましの言葉があり、講座の名前どおり、「希望と安心」をつかめる雰囲気がありました。
いつか、上伊那でもこの進路講座を開催できたらいいなと思って会場をあとにしました。



