2007 長野県教育研究集会   特設分科会 『いじめ・不登校と学校のあり方を考える』



11月11日(日)に諏訪星稜高校を会場に研教研 特設分科会『いじめ・不登校と学校のあり方を考える』が開かれました。午前中は、1、不登校経験の若者の体験談 2、学校現場からの報告 3、親の方からの報告 4、フリースクールからの報告 共同研究者(内田宏明氏)の話がありました。 午後は、分散会・全大会で、参加者同士で学び合いました。課題提起の文の一部抜粋と、分科会の様子を、参加したジャスミンさんのレポートでお伝えしたいと思います。

課 題 提 起
 根本的な課題として  
 
 学習のつまずき、人間関係作り、いじめなどが不登校の要因として挙げられることが多いが、社会的な格差が拡大し家庭生活が困難になってきている子ども達も増えているなど様々な困難な要因が絡み合って子ども達が育ちにくい環境になっていると考えられる。国連子どもの権利委員会から二度にわたって「高度に競争的な教育制度」の改善を勧告されているが、国の「教育再生会議」の路線は全国学力テストに見られるように子ども達をよりいっそう過酷な競争に駆り立てようとしている。子ども達が求めているのは、他人と比べられることによって自信を失い人間関係がバラバラになることで人を攻撃する関係ではない。人と人との暖かい関係や人間らしくのびのび生活できる環境を求めているのではないか。不登校の子ども達こそ、日本の大人に国連子どもの権利委員会の勧告を守ることを訴えているのだと受け止めるべきだと考えたい。
 わたしたちは、不登校の子ども達や様々な問題を抱えている子ども達の願いに応えて、できることから始めていくことが必要ではないだろうか。
(略)今年度も学校現場の取り組み、不登校体験者やその親の話、居場所やフリースクール・中間教室などからの報告など不登校問題に関わっている様々な方々にご参加頂き、報告を聞き合ったり議論し合う中で、不登校とは何か、当事者にとってのより良い支援とは何か、また、それらをふまえた上で学校はどうあったらよいかについて討議し明らかにしていきたい。


 行ってきました、県教研(長野県教育研究集会) 

レポート:ジャスミン

 11月11日、諏訪市で県教研が開催されましたが、その中で”いじめ・不登校と学校のあり方を考える”と題する特設分科会 に参加してきました。
 私は一不登校生の母ですが、6月に諏訪湖ハイツで行われた 県教育相談室主催の”不登校と学校を考えるつどい”に参加したために今回の案内をいただけたようです。
この時感じたのは、これだけ不登校生が増えている中で広い会場には十数名、現場の先生方の参加があまりにも少ない!ということでした。会の案内はどの学校にも届いているはずなのですが。たまたまお世話になっている
中学校の先生に尋ねましたが、この会のことは全く知らないとのことでした。 先生方にも情報が行き渡っていないのですね。(それとも、いじけた言い方ですが、 たださえ忙しいのに、不登校生にまで手がまわらないよ、といったところでしょうか)。

今回も参加されたのは、現場での担当者として、日々、支援&格闘されている先生方、フリースクール主催者、といった渦中の人々というように見受けました。
 さて、この研究集会では、「学校現場から」・「青年から」・「親の会から」・「フリースクールから」の報告がありましたが、私が大きく頷き、納得し、感動しているだけではもったいない!ほどの、充実した内容の濃いものでした。
以下に私の聞き取った範囲、特に印象に残ったものを箇条書きにしてみました。

学校現場の声

先生方が不登校生の対応に慣れていない・・・初期対応の遅れ親の話をきちんと聴き取るまで数ヶ月も放置されていることもある。
文科省が、不登校生を軽度発達障害、非行の生徒などと一緒に“問題ある生徒”としてくくっているため、それぞれに必要な個別の対応ができていないし、先生の負担も大きい。
 子供達は心から自分の話を聴いてくれる大人、先生を求めている。教師の人権意識が低いと感じる。

青年の声

二人の発表は心に響き、親・先生にとってヒントがいっぱいつまっていました

いじめから不登校への経緯と学校側の対応・・・友達の無視というかたちでいじめが始まったが、いじめられている側にだけ相談室での聴き取り。
“どうして学校に来れないんだ”と担任だけでなく他の先生方も、悪気はないと思うが、とても責められている感覚だった。
父母のおしつけのない、ありのままを受け入れてくれる気持ち信じて待つというスタンスがありがたかった。
周りの腫れ物にさわるような態度はとてもいやで、普通に接してくれることがありがたかった。
友達が学校に行っている時間がつらい・・・昼夜逆転
担任の計らいで、以前好きだった先生が会いにきてくれた・・・自分を見守ってくれている人の存在。
いじめの体験はつらいものだったが、あれがあったからこれからも頑張っていける、と今思える自分がいる。


フリースクールの声

指示命令は一切せず、子供のやりたいことに寄り添う。生きる力をつける、楽しいことをする。
調理・キャンプ・野菜作り・釣り・手芸・絵・プール・カラオケなどなど不登校は自立の一歩、自分の行き方を探っている時間。
学びの権利・・学校へ行くこと=学びではない。
不登校も様々なので、学校以外に様々な受け皿が必要。


親の会の声

子供が不登校になった時の担任から親へのアプローチ・・・情報提供
学校における親の会が校長室で開かれており、校長自らが、教師 先生の良好な関係作りにかかわっている。
親同士が進路等、情報交換をすることができたり、協力することで元気に過ごせる。

  最後に、この研究集会に参加して強く思ったことは、私も当事者になるまでは不登校について全く無知・無関心でしたが社会現象とも思える不登校生の増加をみて、(まだまだ潜在的な不登校予備軍も大勢いることでしょう)
今回の研究集会で語られたような内容を、親はもちろんのこと、子供にかかわるすべての先生方が知っているべきである、ということです。
これは必須科目といって過言ではないと思います。
 これからの未来を担う子供達の幸せを願って。