「居場所」から「行く場所」へ2010年07月21日
Category: リレーコラム
大村洋一/NPO法人伊那谷自然楽校 理事長
おっとりとした感じのNちゃんは他県のフリースクールに通っている現在中学2年生だ。フリースクールに通っているのは、何らかの事情があって通常の学校には行けなくなっていたのであろう。私たち伊那谷自然楽校が毎月月末の土日に実施している「おもしろ子ども探検クラブ」への彼女の初参加は小学5年生の秋頃だった。それから彼女は同じスクールに通っている下級生の友達といっしょに長距離バスに乗って何度もやって来た。
しかし、中学にあがると小学生を対象にした「おもしろ子ども探検クラブ」の参加資格がなくなった。1年ほど前、6年生最後の3月の活動に参加してくれたのがお別れになるのかなと私は思っていた。
ところが、その後少しの期間が空いた秋頃から再び彼女は「探検クラブ」に来るようになったのだ。それは中高校生対象の「ジュニアボランティア」という伊那谷自然楽校独自の制度を利用して、参加者ではなく活動支援スタッフの一員として来るようになったのだった。スタッフといっても何かができるわけではない。小学生の参加者といっしょに遊び、学び、班行動の中でちょっとだけリーダーらしき行動や意識を持ってもらうだけ。それが活動中の彼女の役割だ。
各地で不登校やひきこもりの子どもたちのために、そして孤立しがちな子どもたちのために、社会との接点を持つための居場所作りがなされている。しかし、その「居場所」というのは、生活とともにある「家庭」の様な「本来の居場所」ではなく、自らの役割が果たせる「本来の居場所」外にある「行く場所」としての「居場所」が求められているのではないだろうか。
社会との接点作りが苦手な子どもたちのための「行く場所」としての「居場所」提供。そんな役割を伊那谷自然楽校が行うことで、一つの使命が果たせるのではと思うのである。
2010年5月13日付け
読売新聞長野版コラムより
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しかし、中学にあがると小学生を対象にした「おもしろ子ども探検クラブ」の参加資格がなくなった。1年ほど前、6年生最後の3月の活動に参加してくれたのがお別れになるのかなと私は思っていた。
ところが、その後少しの期間が空いた秋頃から再び彼女は「探検クラブ」に来るようになったのだ。それは中高校生対象の「ジュニアボランティア」という伊那谷自然楽校独自の制度を利用して、参加者ではなく活動支援スタッフの一員として来るようになったのだった。スタッフといっても何かができるわけではない。小学生の参加者といっしょに遊び、学び、班行動の中でちょっとだけリーダーらしき行動や意識を持ってもらうだけ。それが活動中の彼女の役割だ。
各地で不登校やひきこもりの子どもたちのために、そして孤立しがちな子どもたちのために、社会との接点を持つための居場所作りがなされている。しかし、その「居場所」というのは、生活とともにある「家庭」の様な「本来の居場所」ではなく、自らの役割が果たせる「本来の居場所」外にある「行く場所」としての「居場所」が求められているのではないだろうか。
社会との接点作りが苦手な子どもたちのための「行く場所」としての「居場所」提供。そんな役割を伊那谷自然楽校が行うことで、一つの使命が果たせるのではと思うのである。
2010年5月13日付け
読売新聞長野版コラムより
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