古原正之 氏/長野県教育委員会 教学指導課教育主幹兼生徒指導係長

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 その時に私たちがたどり着いた不登校児童・生徒の新たな視点というのは、3つあったわけでございます。この3つをもって何としても、長野モデル創造枠をとりたかったわけであります。

 1つめは、とりわけ,不登校児童・生徒の中でも、ひきこもり傾向のなかなか学校も,中間教室も、あるいは、フリースクールにも関わりが持ちにくい、こういう子どもたちに何とか光を与えられないかということです。

 2つめに、不登校児童・生徒に対応するには学校関係者より、民間の親の会をはじめ、こういう問題にながらく関わった方々の協力を得ることが一番良いという意味で、民間の方々を前面 に出し、私たちは後方支援にまわるという、いうなれば、民間と行政が一体となった事業であるということです。

 3つめですが、これがながく議論された末にたどり着いた結論です。一体、どういう支援をするかということであったわけです。当初議論の中では、学校に戻すということを前提にするプランであれば、私たち民間は協力できないという声がたくさん聞かれました。私たち(行政)は、1つの考え方としては、それも1つの方法でもあるけれども同時に、中には学校復帰をしたいということを考えている児童・生徒もいるだろう、そこには様々なニーズがあるであろう…ならば、最終的にはどうあったらよいかということで、たどり着いたのは子どもの権利条約に書かれております「子どもの最善の利益」を優先すべきであるということでした。その子どもの最善の利益というものは一体何なのか、それを地域の方々の英知を集めてコーディネーターを中心に判断をして、その支援をしていきましょうと。こういう3点を打ち出しまして、いわゆる「子どもサポートプラン」の骨格が成立をし、私たちもそれで「長野モデル創造枠」をいただいたわけでございます。

 その過程の中で、県下7つの地域で、チームが立ち上がりその中の一つが伊那地域でございます。そういう体制も整いましたので、4月初めから全県会議をすすめ、さらには、学校や教育委員会あるいは市町村等々様々な行政機関に呼びかけまして、この事業が今年度6月からスタートをしました。現在すでに数ヶ月を経ましたけれども、本当に私が受け止めておりますのは、民間の方々の活力は大変大きいということでございます。すでに、7地域すべてで、いわゆるフォーラムというものが開催されました。その参加人数ですが、私の持っているデータで1,400名をこえております。さらに、すでに7地域では、具体的な保護者の相談活動が130件余り、さらに具体的なチームを通じての支援も26件動き始めています。通常、私たち学校だけでは到底成し得なかった1つの取り組みというものが今、進み始めているのかなと、このように受け止めております。

 そして、私たちの事業は、現在、全国の中で非常に注目をされております。多くの県から視察に来られたり、あるいは、大学でこの問題に携わっている学生が卒業論文に書きたいというような問い合わせ等々頻繁にございます。こんな点で、是非、今後とも皆様の力添えを得て、この事業が順調に動き出し、この事業を通じて不登校児童・生徒に少しでも光を当てられればと願って止まないわけであります。お配りした資料は、また、いずれゆっくりご覧頂ければと思いますけれど、私の方で、一番最初の題名として「不登校の対応について」ということで、文部科学省のリーフレットのコピーしたものもお持ちしました。実は、平成4年に不登校児童・生徒の対応ということで新たな指針を出しましたが、その後10年経っても、不登校児童・生徒は、増えるばかりで減らなかったわけですね。昨年度、そういうことで新たな見直しを協力者会議で答申をいたしまして、文科省の方でも新たな指針を出しました。実は、その新たな指針は、私たちのサポートプランとほとんど同様なんです。いうなれば、私たちは、文科省のいう新たな不登校児童・生徒の対応を、より一歩早くスタートしていたというふうに感じているところであります。

 例えば、リーフレットの最初を見て頂きますと、新たな5つの視点ということで、不登校児童・生徒への対応について書かれております。1点目に「将来の社会的自立に向けた支援の視点」ということをあげております。ここで書かれておりますのは、不登校児童・生徒への対応というのは、あくまでも社会的な自立、進路の問題であるとして捉え、それは、必ずしも学校に復帰する復帰しないという事ではなくて、いたる場面で皆さんの協力を得て、その子どもたちの社会的自立を支援していくという姿勢が大事であるということ。私たちの考えと共通 するところであります。

 2 点目におきましても、「連携ネットワークによる支援」。様々な関係者の連携ネットワークで支援していきましようということは、まさしくこれも私たちのサポートプランでございます。また、3点目におきましては、「将来の社会的自立のための学校教育の意義・役割」。 何よりも学校生活の中において、不登校児童・生徒を出すべきではない。そのためには、どうあったらよいかという学校教育への新たななげかけや、さらには、4点目の「働きかけることや関わりを持つことの重要性」では、子どもたちの状況を見極めながら、適切な働きかけが大事であるということ。5点目にあげられている「保護者の役割と家庭への支援」。保護者や、家庭への支援が大切であるということなど、サポートプランに通 じるところが大変多いわけであります。

 以上簡単ではございますけれど、このサポートプランが生まれてきた背景、その特徴、そして国全体の動きの中にあって、歩調を合わせ、むしろ一歩先んじている事業であるということをお話させて頂きました。今後とも皆様のご協力を得て、この事業を成功裡に導いていって頂きたいと思います。なお、来年度におきましては今年度以上に、今現在私たちは予算請求しているところであります。今後ともよろしくお願い致します。
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※「不登校の対応について」(文部科学省発行リーフレット)を希望される方は、事務局(76-7627)までご連絡ください。