北澤康吉/ロジャース流カウンセラー

「訳の分らぬ不安や恐怖が、病気として、症状として現れる」と言われても何か唐突に感じられる方もいるかも知れません。しかし、事実なのです。人間と言う生き物は実に精妙に出来ていて、心の深い部分と身体は密接につながっているのです。そして心の奥深く一杯になったものは、病気として症状として現れることが多いのです。

「のぞみ学園」に見える人の中にアトピーの諸君がよくおります。この仕事をやっていると「アトピーの大部分はストレスからくるのではないか」と思えてしまいます。何かを言い表したい、心に一杯になったものを表現したい。諸君は私たちの目の前で懸命にその努力・葛藤をしてくれます。その途端サーッとアトピーが現れます。皮膚の色が見事に変わるのです。あるいは急に痒(かゆ)さが増して、ガリガリ掻きはじめます。心の深い部分と身体がこんなに密接につながっており、瞬時にしてそれが現れることにはほとんど舌を巻く思いです。

すでに心は訳のわからぬ不安や恐怖で一杯になっておりました。そして、それは噴火寸前の火山のような状態でした。後はキッカケだけあればいい、いやキッカケは無くてもよいようです。アトピーの痒さは時には眠れなくなるほど大変でしょうが、心の中で一杯になったものの吐出しと考えると、アトピーそのものに深い意味を感じます。「こんな形で心の中のものを吐き出してくれているのだ」と思えてしまいます。

心のことは心のこととして吐き出されれば分りやすい訳ですが、やはりそのままストレートで出てくるのは結構大変なのです。激しい恐怖がそのままの姿で現れずに、身体が分担して代りに症状として吐き出してくれるのは、生きていく上でずい分楽なのです。