リレーコラム
すくすくと(1)2004年09月25日
Category: リレーコラム
櫻井 裕記/内観療法研究者
10数年前、松本地方のある普通科高校に勤務していた時のことです。半数くらいの生徒が勉強することを好まず、自分のその時の気分で好き勝手な生活しているようにみえました。駅や電車の中でも喫煙をしていました。私は近くの駅へ休み時間に毎日のようにタバコの吸殻拾いに出かけていました。また、その生徒たちは時々けんかやいじめを起こすため家庭反省をさせて、自分の心を立て直すように支援していました。家庭反省期間の長い生徒は1ヶ月を超える場合がありました。反省文がそこそこ書ければ反省が出来たといって反省解除になりますが、また繰り返す生徒が続出していました。教師は根気強く反省をさせては指導をしていましたが、3回繰り返すとさすがに指導の限界だと自主的退学を勧めるしかありませんでした。退学になると親が一番切ない思いをしていたと思います。生徒本人は、勉強する気にならず、そういうことに気が向いてしまい、どうしても繰り返してしまう、環境を変えると言って、不本意に学校を去っていきました。確かに、高校は勉強をするのが主目的なので、勉強が好きでなかったら、学習の必要性を感じないのなら、肉体労働、額に汗して働くほうが精神的にも健康だと思われます。退学後、バイト先で生き生きと働いている生徒も少しはいました。しかし多くは働くことが嫌で、勤め先を直ぐ辞めてしまい、仕事を転々とした挙句、仕事に就かず遊び歩いている人もいました。これらの生徒からからかわれやいじめを受けた生徒の中には、登校できなくなる生徒もいました。
一方、カウンセリングを知らない教師が多い中で、ただ厳しく説諭する、注意をする指導では、心の持ち方を、立ち直らせることはきわめて難しい状況でした。そして、何度言っても、何度反省しても、直らないので、他の生徒に迷惑をかけるから方向転換だと言うわけでした。
ある2年生の男子の話です。1学期が終わりになる頃、自動二輪を無免許で運転していたことや仲間の中でのけんかで怪我をさせてしまう事件が起きました。当然ながら家庭反省になりました。しかもこの子は、既に2回の家庭反省を経験していました。今回は3回目なので、後がありませんでした。その子の若い担任が私に相談に来ました。何とか心理療法で直してもらえないかと頼んできました。そこで、体験的に勉強していた「内観療法」をやっている富山の専門の先生を紹介しました。1週間自分の過去の心を見つめることになりました。その子も切羽詰っていましたが、親御さんも必死でした。そして、その子の母親も自分の心を見つめてみようと、一緒に「内観療法」を体験することになりました。(つづく)
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一方、カウンセリングを知らない教師が多い中で、ただ厳しく説諭する、注意をする指導では、心の持ち方を、立ち直らせることはきわめて難しい状況でした。そして、何度言っても、何度反省しても、直らないので、他の生徒に迷惑をかけるから方向転換だと言うわけでした。
ある2年生の男子の話です。1学期が終わりになる頃、自動二輪を無免許で運転していたことや仲間の中でのけんかで怪我をさせてしまう事件が起きました。当然ながら家庭反省になりました。しかもこの子は、既に2回の家庭反省を経験していました。今回は3回目なので、後がありませんでした。その子の若い担任が私に相談に来ました。何とか心理療法で直してもらえないかと頼んできました。そこで、体験的に勉強していた「内観療法」をやっている富山の専門の先生を紹介しました。1週間自分の過去の心を見つめることになりました。その子も切羽詰っていましたが、親御さんも必死でした。そして、その子の母親も自分の心を見つめてみようと、一緒に「内観療法」を体験することになりました。(つづく)
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