リレーコラム
叱り怒る感情を育てる2009年08月29日
Category: リレーコラム
大村洋一/NPO法人自然学校ふる里あったかとお 理事
いつの頃からか「ほめながら育てることはよい」と、ことさらに言われだしたのはなぜだろう。子どもたちは数々のストレスの中で育てられている。そのストレスを和らげるために、そして、その子の個性や得意とする部分を生き生きと伸ばすために「ほめて育てる」ことがよいのだということなのだろう。しかし、最近私はそれだけではと迷うことが多い。
子どもたちとの野外体験活動の最中、明らかに誤った言動や行動をした際に、気がつかないうちに自分の感情のままに子どもたちに「注意してさとす」気持ちではなく、「怒って怒鳴ろうとする」状態の自分になっていることがある。自分が今、怒っているのか、叱りたいのか、注意したいのか、と今自分の感情はどこにあるのか一瞬でも考える余裕があればいいのだが、その場になるとやはり忘れてしまう。少しずつではあるが、「あ、これではいけない」と一息入れてから言葉にすることが最近多くなってきた。感情ではなく、考えを伝えることが大切であると。
かつて、私の子どもたちが不登校になりつつあった頃は、このことがほとんど考えられず、一方的な感情のまま子どもたちや妻にはぶつけていたように思う。それは長くは続かなかったと記憶しているが、後悔すべきことが多くあった。それは今も心のどこかに、家族間の信頼関係形成や子どもらの成長過程にどう影響したのか、大きな引っかかりとしてある。
注意する、叱る、怒る、は感情が順により高ぶった状態であり、高ぶった状態であるほど直接的に相手の感情や気持ちには届くのだろうが、そのためにはお互いの関係性や信頼感はより深く、親密でなくてはならない。「注意する」だけなら、お互いの関係が薄くてもできる。しかし「叱る」ことのできる関係はお互いの信頼がなくてはできない。ましてや「怒って叱って注意する」関係は深い信頼感がなくては逆効果でしかないと思う。信頼関係のない「怒る」はお互いに溝を作るだけだからである。
叱ること、怒ることのできる信頼関係を形成することが大切であり、叱られたり、怒られたりすることは子どもも大人もそれぞれの成長のために多くのことが学べるよいきっかけになるのだと思う。「ほめて育てる」ことと「注意しながら叱りながら怒る感情を育てる」ことの大切さを考えていきたい。
平成21年6月3日付け 読売新聞長野版コラムより
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子どもたちとの野外体験活動の最中、明らかに誤った言動や行動をした際に、気がつかないうちに自分の感情のままに子どもたちに「注意してさとす」気持ちではなく、「怒って怒鳴ろうとする」状態の自分になっていることがある。自分が今、怒っているのか、叱りたいのか、注意したいのか、と今自分の感情はどこにあるのか一瞬でも考える余裕があればいいのだが、その場になるとやはり忘れてしまう。少しずつではあるが、「あ、これではいけない」と一息入れてから言葉にすることが最近多くなってきた。感情ではなく、考えを伝えることが大切であると。
かつて、私の子どもたちが不登校になりつつあった頃は、このことがほとんど考えられず、一方的な感情のまま子どもたちや妻にはぶつけていたように思う。それは長くは続かなかったと記憶しているが、後悔すべきことが多くあった。それは今も心のどこかに、家族間の信頼関係形成や子どもらの成長過程にどう影響したのか、大きな引っかかりとしてある。
注意する、叱る、怒る、は感情が順により高ぶった状態であり、高ぶった状態であるほど直接的に相手の感情や気持ちには届くのだろうが、そのためにはお互いの関係性や信頼感はより深く、親密でなくてはならない。「注意する」だけなら、お互いの関係が薄くてもできる。しかし「叱る」ことのできる関係はお互いの信頼がなくてはできない。ましてや「怒って叱って注意する」関係は深い信頼感がなくては逆効果でしかないと思う。信頼関係のない「怒る」はお互いに溝を作るだけだからである。
叱ること、怒ることのできる信頼関係を形成することが大切であり、叱られたり、怒られたりすることは子どもも大人もそれぞれの成長のために多くのことが学べるよいきっかけになるのだと思う。「ほめて育てる」ことと「注意しながら叱りながら怒る感情を育てる」ことの大切さを考えていきたい。
平成21年6月3日付け 読売新聞長野版コラムより
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