去る10月9日(土)に、伊那市生涯学習センター6Fホールにて、「子どもを育む上伊那地域ネットワークフォーラム−むすぼう、つなごう、教育・子育ての輪−」が開催されました。

写真

昨年の7月から始まった、不登校・ひきこもりの子どもたちや保護者の方々への支援活動を通して、個別の支援と同時に、地域の大人たちのつながりを創っていくことの重要性と緊急性を感じるようになり、地域のネットワーク創りを大きな目的にフォーラムを。同様の思いを多くの方が持っていらっしゃる様子で、フォーラムを開催したいと実行委員を募ったところ、31名の方が、実行委員に名乗りを上げて下さいました。

フォーラム当日は、台風22号の接近という悪天候にもかかわらず、120名近くの方がご参加下さり、午前中の、青木悦さんの講演会、午後の上伊那で活動する各団体の紹介と交流会が行なわれました。盛り沢山の内容で、時間がもう少し欲しいところでしたが、大変、有意義なフォーラムとなりました。ここで生まれたつながりを大切に育てていきたいと思います。フォーラムのごく一部ですが、ご紹介します。

写真

 『なかよしのふりに疲れる子どもたち−おとなにできること−』という演題で、永年、教育現場での取材を通して見えてきた子どもたちの姿を教育ジャーナリストの青木悦さんから、お話をうかがいました。私たち大人は、現在を生きる子どもたちの大変さの何分の1も知らないことに気づかされました。子どもは、誰にも本音が言えないで、親にも友達にも気を使っていること。人とのつながりに安心・信頼という裏打ちが持てず不安の中で、なかよしのふりに疲れていることなどの具体例をお聞きし、身近にいる子どもたちの日頃の姿と重ね合わせて深く頷かされました。また、子どもの悲鳴は、親の生き方、社会のあり方をも変えるんだという重さをとらえないで、小手先だけで子どもを「治す」、(この言葉は、大嫌いだとおっしゃいました。)元の通り、大人が考えた「幻の(想の)子ども」にあてはめればいいという発想でいるかぎり、解決できないのだという言葉も心に残りました。

写真 講演の最後に、「効率」「能率」が何においても優先される社会の中で生まれ育った世代が、親となっているこの時代に何ができるのかということを、3つ上げてお話下さいました。—1つめは、子どもは弱くて、失敗する存在であり、間違えて当たり前なんだということ。子どもが、自分の弱さや苦しさを言える場、大人がいてほしい。「幻の子ども像」を周りが求めることで、子どもはどんどん追い詰められていく。2つ目は、子どもには、今というその時しか、その年代でなければできないことがあるということを大人は、もっと大事にしなければいけないということ。先へ先へと子どもの将来を考えるやり方は、改めていきたいということ。3つ目は、いろんな大人がごく自然なかたちで子どもの周りにいっぱいいることが、とても大事だということ。取材を通して、多くの子どもに会う中で、よく聞かれる言葉は、「どうせ私なんか」「ぼくなんかいない方がいいんだ。」という言葉。人間としての根本のところに自信が持てず、自分が悪いんだという気持ちを強めていく子どもたち。様々な環境の中にある子どもたちは、周りの多くの大人によって支えていきたい。—という内容のお話でした。青木先生の幼少期の体験と、出会ってきた子どもたちのお話に、時に涙を禁じえないものでした。当日は、台風だったので、参加できない方々も多くいらしたことや、係の仕事で聴く事ができなかったスタッフも多いので、講演会のビデオ上映会を開きます。聞き逃した方、もう一度聞きたい方どうぞご参加下さい。

写真

 午後の各団体の紹介と交流会は、上伊那地域の様々な場での子どもに関わる活動を知ることができました。参加者のアンケートにも、「こんなに多くの活動があったんだと驚きました。」という感想がたくさん寄せられました。準備期間が短く、急な参加の依頼を快く引き受けて下さり本当にありがたいことでした。いろんな団体が、主体的に活動していて、どれも魅力的でした。地域ぐるみの子育て・育ち合いが、どうすればできるのか、ここで出会った方々や、これから出会う方々と知恵を出し合っていけたらと思います。