相談・コーディネート事業 

 -相談を通して学ばせていただいたことー
今年度も300件近くのご相談が寄せられました。
昨年度以来、不登校で悩むご家族が孤立しないようにと考え、コーディネーターとしてともに考えていくための定期的な面談を必要がなくなるまで続けるようにしてきました。
多いときには、1日3回の面談という日が続くことがありましたが、上伊那教育会のお計らいで、いなっせ4階の教育会館の会議室を面談場所として快くお貸しいただけたことには、感謝の気持ちで一杯です。
相談を受けるなかで、それまで家でひきこもっていた子どもさんが、お母さんと一緒に面談の場に来て、やがて子どもさんの支援が始まっていく場面がいくつも見られました。
また、学習支援を通して、力強く動き出していく事例もいくつも見ることができました。また、支援スタッフとの楽しいおしゃべりのひとときは子どもさんの心を軽くし、エネルギーを取り戻していくためにとても有効であったと思います。
これらの過程は、私たちに不登校やひきこもり支援の道筋を教えてくれる素敵な実例だと思います。
 一方、ご家族によっては、子どもさんのあるがままを受け入れ、寄りそっていくためのスタートラインに立つことがなかなか難しい場合もありました。
しかし、そのような場合でも、ある時、親御さんの中でストンと何かが胸に落ちるようにお子さんを受け入れた時に、お子さんが自ら動き出すという場面に立ち会う幸いもありました。 
それぞれどのご家庭にもその「時」があるのだとあらためて思っています。
 来年度も「行政」と「民間」の信頼関係を築きながら子どもたちの『最善の利益』が何であるかを考え合い、子どもたちに寄り添う支援をしていきたいと思います。
                                                   (北原)

  ー親の会・親ステップー

 上伊那各地で毎月1回開いてきた親の会は、毎回何人かの方々が集ってくださり、ゆっくり語り合うひとときを持つことができました。
 今年は、あまり広報に力を入れなかったので、来年は、こまめにフリーペーパー等を通してインフォメーションをしたいと思います。
 親の会のお母さん、お父さんが中心になって、今年も講演会や相談会を開催することができました。
 12月には、中野満知子さんをお呼びして「アサーティブネス」について学びました。2月には、広木克行さんにおいでいただき、相談会と講演会を開催しました。
 どちらの会にも80名余の方々にご参加いただき学び合いのときを持つことができました。
 講演会を通して、多くの気づきを得られましたが、それを日常にいかしていくことの難しさもかんじました。そして、あらためて日々の親同士の学び合い、支え合いの大切さを実感しました。
 人は、そんなに急には成長できませんが、続けていくことで変容していくことができます。
 来年も親の会を丁寧に開いていきたいと思います。
                                              (戸枝)

  ーものづくりの会ー

 今年度の「ものづくりの会」は、4月の中川村の「手って市」に出展しました。
 インフルエンザの影響で、ふれあい祭りなどが中止になったこともあり、あまりお店を出せませんでしたが、ものづくりの仲間が増えてきたことは、嬉しいことでした。
 来年も、手って市を皮切りに『ハミングSHOP』を開いていきたいと思います。
 まだまだ小さな活動ですが、大人も子どもも一緒に
なって地域の人たちとの楽しく交流していきたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いします。    (竹)
                 

  -フリースペースの運営ー  
      (毎週 火・金曜日 10:30~16:30)

 今年度も引き続き、子どもたちの居場所としてのフリースペースを、週2日のペースで運営してきました。
 ニッセイ財団からいただいた、卓球台とカプラ(長方形の白木が素材の積み木)が大活躍(写真はトランプですが)。会話が苦手な子どもたちも、卓球などをしながら、気持ちを表現することができました。
毎回、子どもが来ない日はないのですが、スタッフが多忙で、スペースを開けないこともありました。今後の課題です。

  -ハミングDayの実施ー 

 火曜・金曜のうち、月に2回は、伊那市立体育館をお借りして、スポーツを楽しみました。こちらも、ニッセイ財団からの「囲碁ボール」が活躍しました。スタッフも含めて、毎回12名前後の参加でした。
 また、5月には屋外でバーべキュー、9月には、駒ヶ根看護大学園祭のフリーマーケットに参加、12月には調理&お楽しみ会等、イベントも行いました。特にフリーマーケットでは、子どもたちが、漫画やマスコットなど自分の物を持ち寄り、値段をつけて売るという初めての体験ができ、スタッフも一緒に楽しみました。
                                                (古旗)

  -情報発信ー

 毎回毎回、締切ギリギリに原稿を中途半端に仕上げ、事務局に投げ出してしまっている。
2ヶ月に1回のハミングウォーカー発行を今年も何とか守ってこられたのは、ひとえに事務局の全面サポートがあってのことです。本当にありがとうございました。
 しかし、こんな苦労をしながらも、上伊那子どもサポートセンターの機関紙を定期的に発行し、学校・行政・市民そして当事者に発信続けることの重要性を、私は改めて感じています。
 今、親や教師が子どもたちの不登校の兆候にいち早く気付き、その対策をとることの必要性が叫ばれています。しかし、その対策をとることには非常な困難さが伴うのではないかと感じています。実際に、不登校の兆候が現れた時には、すでに当事者は深い悩みの奥に入っているわけですし、親は「まさか自分の子どもが」と言った思いが先に立ち、不登校に関して事前に知識や、ましてや経験をふんだんに持っていようはずがありません。そのため、早めに兆候をつかむということは困難ではと思われるからです。
 機関紙であるハミングウォーカーを発行続けることは、まさか自分の子どもがと思う親や、これまで経験のなかった教師や、そしてこれを手に取った市民のほんの一部の人にでも、ふと手に取った際に読んだ一文から不登校の現状を知る機会になれば、いささかでも不登校当事者にとっての深い悩みを和らげる効果が得られるのではないかと思うのです。
子を持つ親の方々にハミングウォーカーを渡すことは、渡す側にも受け取る側にも、多少ためらう気持ちがわきます。渡す側は相手を不登校当事者と見てしまうかもしれないというためらい、受け取る側は「私の子どもは不登校ではない」と言った否定的な気持ちが交錯します。そんな垣根をできるだけ低くしたいと思う。
と、この原稿を書いている時に「愛子様が不登校に」のニュースが流れてきました。だれでもいつでも「不登校」になる可能性があることを改めて知ることとなりました。だれが良い、だれが悪いではないと思います。子どもたちを巡る環境や社会全体で不登校を大人全体で考え合う機会を持つ必要があると思うのです。                  (大村)