上伊那子どもサポートセンター 駒ヶ根連絡所がスタートしました。2010年01月26日
Category: お知らせ
数年前から、駒ヶ根市でも子どもの居場所や、ハミングDayをして欲しいという要望が何人もの方々から上がっていましたが、ついに実現に向けて大きく動き始めました。
以前から上伊那子どもサポートセンターのスタッフとして関わっていただいている松本恵さんに、支援への思いを綴っていただきました 。
★「むらじゅく」じゃありません!★
はじめまして。駒ヶ根駅の近くに「上伊那子どもサポートセンター連絡所」を開設した松本です。連絡所は私塾「松本村塾」内に併設しました。夕方からは普通の学習塾ですが、昼間の時間帯に不登校や引きこもりの子どもたちを支援する…、そんな形態を目指しています。
これからの抱負を語る前に、まずは塾名の「松本村塾」について。よく宅急便のお兄さんに「まつもとむらじゅく」と読まれるのですが、違います。「まつもとそんじゅく」と読みます。お察しのとおり、幕末にその門下から多くの志士を輩出した、吉田松陰の松下村塾に由来しています。私の姓が「松本」なので、もちろん語呂合わせもあります。しかし本音は(少々照れくさいのですが)、教育者としての松陰の揺るぎない信念、獄中にあってさえ他の囚人や牢番たちに学問を説いてしまう、その強い情熱にあやかりたいという思いがありました。
松陰というと、史実では下田踏海など、その過激な部分ばかりが強調されていますが、唖者の弟がいたこともあり、弱者に対する深い思いやりと大きな人間愛を持った人でもありました。
余談ですが、昨年山口県萩の松陰神社を訪れた際、松陰の松下村塾も、萩の松本村に在したことから、当初は「松本村塾」と呼ばれていたことを知りました。塾名がますます重みを増してしまいました。今は完全に名前負けしていますが、中身は徐々に伴わせていくつもりです。
★「普通の家」じゃありません!★
堅苦しい話はひとまず終わりにして、今度は建物を紹介しましょう。
名は体を表すではありませんが、建物も古色蒼然としています。築36年です。その代わり36畳の大広間があり、ステージもあります。偉い先生のお話もいいけど、音楽会や劇の発表会なんかのほうが、もっと楽しいでしょうね。
裏庭も広く、バーベキューなんかも楽勝です。頑張れば、野菜畑も出来るかも。そうそう、すぐ横に流れる精進川には、今年の夏、ホタルも出たしカワセミも飛んで来ました。おっと、夏は花火大会も忘れちゃいけませんね。
なんか変ですよね。普通の家じゃないみたい? そう、この建物は昔、この地域の公民館だったんです。だから住むにはちょっと不便だけど(私はここに2匹の猫と住んでいます)、みんなで集まったり、イベントするには持って来いの場所なんです。
ステージには小さな卓球台が置いてあります。少し畳がふかふかするけど、大広間でバドミントンも出来ます(蛍光灯を割らないように!)。ドミノ倒しも楽しそう…。だれもいないときは、猫が走り回っています。面白そうだなと思った人は遊びに来てください。近い将来、「居場所スペース」も開く予定です。
それから駒ヶ根でも、伊那でやっているハミングデーをやりたいですね。やっぱり広々とした体育館で、思いっきり汗を流すのは気持ちいいし、なにより最高のストレス解消になります。こちらは現在事務局と検討中です。
★「彼らだけの問題」じゃありません!★
こうやって、少しでも、不登校や引きこもりの子どもたちが元気になるお手伝いが出来たら…と思います。しかし私自身、福祉関係の仕事に携わったこともなく、教職の経験もないので(昔はオートバイ雑誌の記者でした)、うまく支援していけるかどうか自信はありません。
けれど、私は今の世の中、日本を見ていると、とても大きな危機感を抱いてしまうのです。なんですか! 「勝ち組」「負け組」とかいう、なんとも不愉快で卑劣な言葉が横行して、マスコミや国民の大多数がそれを当然のように受け入れている。というか、喜んで片棒を担いでいるじゃありませんか。富める者・強い者が勝ち組で、貧しい者・弱い者が負け組、いつから日本人はそんなに卑しくなったのか。
子ども社会にも暗い影が差しています。例えば、他人の注意に反発するとき、「そんなの自由じゃん!」が口癖の子ども。悲しいですね。見せかけの自由と権利ばかり教えられ、責任と義務を教えてもらっていない。だから、そのうち無責任な自由の虚しさに気づきますが、自分ではなんとも出来ないから、やがて他人や社会に八つ当たりを始める。これも、みーんな大人たち、我々の責任なんです。
そして、こんな時代、一番の犠牲になるのがやはり弱者です。残念ながら、この中に不登校や引きこもりの子どもたちも含まれている。実際、彼らを弱者と呼ぶことは私には違和感があります。彼らは他よりも、感受性が強く優しいことが多い。それを単に弱者として片づけてしまうのは、そのほうが世の中にとって都合がよく面倒くさくないからです。
しかし、社会が崩壊するとき一番先にしわ寄せが行くのは弱者です。人類学者のE・トッドはソ連崩壊と今回のアメリカ経済危機を、その数年前からの乳児死亡率の増加で予想しました。そう、堤防が決壊するとき、まずは弱い部分からチョロチョロと水が漏れ始める、それと同じなんですね。
こう考えると、不登校や引きこもりの子どもたちを支援することは、地味だけど大変有意義なことです。行政の支援が充分ではない現状だからこそ、私たち大人ひとりひとりが、自分の立場でなにが出来るかを、真剣に考えるべきなんです。なぜなら、その「ツケ」は必ず確実に、私たちに返って来るからです。
時代に敏感な彼らが発している危険信号に早急に対応することが、崩壊しつつある今の社会、日本を立て直すチャンスでもあると思うのですが。【松本 恵】
上伊那子どもサポートセンター 駒ヶ根連絡所
〒399-4105 駒ヶ根市赤須東1-18 松本村塾(まつもとそんじゅく) 内
Tel/Fax 0265-83-3402
以前から上伊那子どもサポートセンターのスタッフとして関わっていただいている松本恵さんに、支援への思いを綴っていただきました 。
★「むらじゅく」じゃありません!★
はじめまして。駒ヶ根駅の近くに「上伊那子どもサポートセンター連絡所」を開設した松本です。連絡所は私塾「松本村塾」内に併設しました。夕方からは普通の学習塾ですが、昼間の時間帯に不登校や引きこもりの子どもたちを支援する…、そんな形態を目指しています。
これからの抱負を語る前に、まずは塾名の「松本村塾」について。よく宅急便のお兄さんに「まつもとむらじゅく」と読まれるのですが、違います。「まつもとそんじゅく」と読みます。お察しのとおり、幕末にその門下から多くの志士を輩出した、吉田松陰の松下村塾に由来しています。私の姓が「松本」なので、もちろん語呂合わせもあります。しかし本音は(少々照れくさいのですが)、教育者としての松陰の揺るぎない信念、獄中にあってさえ他の囚人や牢番たちに学問を説いてしまう、その強い情熱にあやかりたいという思いがありました。
松陰というと、史実では下田踏海など、その過激な部分ばかりが強調されていますが、唖者の弟がいたこともあり、弱者に対する深い思いやりと大きな人間愛を持った人でもありました。
余談ですが、昨年山口県萩の松陰神社を訪れた際、松陰の松下村塾も、萩の松本村に在したことから、当初は「松本村塾」と呼ばれていたことを知りました。塾名がますます重みを増してしまいました。今は完全に名前負けしていますが、中身は徐々に伴わせていくつもりです。
★「普通の家」じゃありません!★
堅苦しい話はひとまず終わりにして、今度は建物を紹介しましょう。
名は体を表すではありませんが、建物も古色蒼然としています。築36年です。その代わり36畳の大広間があり、ステージもあります。偉い先生のお話もいいけど、音楽会や劇の発表会なんかのほうが、もっと楽しいでしょうね。
裏庭も広く、バーベキューなんかも楽勝です。頑張れば、野菜畑も出来るかも。そうそう、すぐ横に流れる精進川には、今年の夏、ホタルも出たしカワセミも飛んで来ました。おっと、夏は花火大会も忘れちゃいけませんね。
なんか変ですよね。普通の家じゃないみたい? そう、この建物は昔、この地域の公民館だったんです。だから住むにはちょっと不便だけど(私はここに2匹の猫と住んでいます)、みんなで集まったり、イベントするには持って来いの場所なんです。
ステージには小さな卓球台が置いてあります。少し畳がふかふかするけど、大広間でバドミントンも出来ます(蛍光灯を割らないように!)。ドミノ倒しも楽しそう…。だれもいないときは、猫が走り回っています。面白そうだなと思った人は遊びに来てください。近い将来、「居場所スペース」も開く予定です。
それから駒ヶ根でも、伊那でやっているハミングデーをやりたいですね。やっぱり広々とした体育館で、思いっきり汗を流すのは気持ちいいし、なにより最高のストレス解消になります。こちらは現在事務局と検討中です。
★「彼らだけの問題」じゃありません!★
こうやって、少しでも、不登校や引きこもりの子どもたちが元気になるお手伝いが出来たら…と思います。しかし私自身、福祉関係の仕事に携わったこともなく、教職の経験もないので(昔はオートバイ雑誌の記者でした)、うまく支援していけるかどうか自信はありません。
けれど、私は今の世の中、日本を見ていると、とても大きな危機感を抱いてしまうのです。なんですか! 「勝ち組」「負け組」とかいう、なんとも不愉快で卑劣な言葉が横行して、マスコミや国民の大多数がそれを当然のように受け入れている。というか、喜んで片棒を担いでいるじゃありませんか。富める者・強い者が勝ち組で、貧しい者・弱い者が負け組、いつから日本人はそんなに卑しくなったのか。
子ども社会にも暗い影が差しています。例えば、他人の注意に反発するとき、「そんなの自由じゃん!」が口癖の子ども。悲しいですね。見せかけの自由と権利ばかり教えられ、責任と義務を教えてもらっていない。だから、そのうち無責任な自由の虚しさに気づきますが、自分ではなんとも出来ないから、やがて他人や社会に八つ当たりを始める。これも、みーんな大人たち、我々の責任なんです。
そして、こんな時代、一番の犠牲になるのがやはり弱者です。残念ながら、この中に不登校や引きこもりの子どもたちも含まれている。実際、彼らを弱者と呼ぶことは私には違和感があります。彼らは他よりも、感受性が強く優しいことが多い。それを単に弱者として片づけてしまうのは、そのほうが世の中にとって都合がよく面倒くさくないからです。
しかし、社会が崩壊するとき一番先にしわ寄せが行くのは弱者です。人類学者のE・トッドはソ連崩壊と今回のアメリカ経済危機を、その数年前からの乳児死亡率の増加で予想しました。そう、堤防が決壊するとき、まずは弱い部分からチョロチョロと水が漏れ始める、それと同じなんですね。
こう考えると、不登校や引きこもりの子どもたちを支援することは、地味だけど大変有意義なことです。行政の支援が充分ではない現状だからこそ、私たち大人ひとりひとりが、自分の立場でなにが出来るかを、真剣に考えるべきなんです。なぜなら、その「ツケ」は必ず確実に、私たちに返って来るからです。
時代に敏感な彼らが発している危険信号に早急に対応することが、崩壊しつつある今の社会、日本を立て直すチャンスでもあると思うのですが。【松本 恵】
上伊那子どもサポートセンター 駒ヶ根連絡所
〒399-4105 駒ヶ根市赤須東1-18 松本村塾(まつもとそんじゅく) 内
Tel/Fax 0265-83-3402

